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第三章 体が熱くなってくるのは、アルコールのせい2

last update 최신 업데이트: 2025-01-17 13:49:42

『お願い。美羽に会いたくてたまらないんだ。待ってて。一緒にお酒呑もう』

来ると言ったら絶対に来る。大くんは自分の言ったことを曲げないところがあるのだ。

突然のことだったので動揺したけれど会えると思ったら嬉しくて私は急いで部屋を片付けた。

「わ、こんなに買ってきたの?」

チーズやら生ハムやらいろいろとワインに合いそうなものを買って来てくれた。

「腹減ってさー」

目が合うとニコッと笑ってくれる。

さっきまでテレビに出ていた人が目の前にいるなんて、不思議な気分だ。

「さ、食おう」

「うん。あ、ワイングラスなんて無いな……。どうしよう」

「いいよ。普通のコップで」

「色気なくてごめんね」

「気にしないさ。美羽と酒を呑めるだけで、俺は幸せだよ」

くさいセリフなのに、大くんが言うと様になる。

私と大くんはソファーに並んで座って、コップに注がれた赤いワインで乾杯する。

「あ、美味しい」

「美羽も酒の味がわかるほど、大人になったんだな」

「うん」

ゆっくり流れる優しくて温かい時間だ。

大くんと一緒にいると幸せだと感じる。もっと、もっと、そばにいたい。

ちらっと大くんの方を見ると目が合った。黒く光っている瞳に見つめられるだけで、溶かされてしまいそうな気持ちになる。この胸の高鳴りをどうやって落ち着かせたらいいのかな。

「ね、美羽。キスしようか」

「は……い?」

顔が近づいてきて、髪の毛に手が差し込まれる。

そして、私を引き寄せると、チュッと優しくキスをしてきた。逃げなきゃ……って思うのに、体は言うことをきかない。だんだんと体が熱くなってくるのは、アルコールのせいだよね?

唇が離れたかと思うとくっついてきて、唇を挟むようなキスをしたじっと見つめられ、濡れた唇を親指でそっと撫でてくる。

「美羽。逃げないんだね」

「……逃げられるわけないでしょ」

「どうして?」

大くんは意地悪だ。私の気持ちはお見通しだろうに。

そんな気持ちを込めて睨むと、大くんはとても優しい顔をした。

「今度は、何があっても離さない。だから」

「大くん。駄目だよ。結ばれる運命なら、きっと過去にも結ばれていたはずだし。赤ちゃんも産まれてくる運命ならここにいたはずだよ」

「じゃあ、運命が決まっているとしたら変えてやればいいじゃん。これからの未来は二人で決めていくべきだと思う」

ちょっとだけ強い口調で言った大くんは、私を抱きし
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    美羽side結婚パーティーを無事に終えることができ、私は心から安心していた。 私と大くんが夫婦になったということをたくさんの人が祝ってくれたのが、嬉しくて ありがたくてたまらなかった。 しかし私が大くんと結婚したことで、傷ついてしまったファンがいるのも事実だ。 アイドルとしては、芸能生活を続けていくのはかなり厳しいだろう。 覚悟はしていたのに本当に私がそばにいていいのかと悩んでしまう時もある。 そんな時は大きくなってきたお腹を撫でて、私と大くんが選んだ道は間違っていないと思うようにしていた。自分で自分を肯定しなければ気持ちがおかしくなってしまいそうになる。 あまり落ち込まないようにしよう。 大くんは、仕事が立て込んでいて帰ってくるのが遅いみたい。 食事は、軽めのものを用意しておいた。 入浴も終えてソファーで休んでいたが時計は二十三時。 いつも帰りが遅いので平気。 私と大くんは再会するまでの間、会えていない期間があった。 これに比べると今は必ず帰ってくるので、幸せな状況だと感で胸がいっぱいだ。 今日は産婦人科に行ってきて赤ちゃんの性別がはっきりわかったので、伝えようと思っている。手作りのケーキを作ってフルーツの中身で伝えるというささやかなイベントをしようと思った。でも仕事で疲れているところにそんなことをしたら迷惑かな。 でも大事なことなので特別な時間にしたい。

  • 秘めた過去は甘酸っぱくて、誰にも言えない   完結編・・・第一章16

    「そんな簡単な問題じゃないと思う。もっと冷静になって考えなさい」強い口調で言われたので思わず大澤社長を睨んでしまう。すると大澤社長は呆れたように大きなため息をついた。「あなたの気の強さはわかるけど、落ち着いて考えないといけないのよ。大人なんだからね」「ああ、わかってる」「芸能人だから考えがずれているって思われたら、困るでしょう」本当に困った子というような感じでアルコールを流し込んでいる。社長にとっては俺たちはずっと子供のような存在なのかもしれない。大事に思ってくれているからこそ厳しい言葉をかけてくれているのだろう。「……メンバーで話し合いをしたいと思う。その上でどうするか決めていきたい」大澤社長は俺の真剣な言葉を聞いてじっと瞳を見つめてくる。「わかったわ。メンバーで話し合いをするまでに自分がこれからどうしていきたいか、自分に何ができるのかを考えてきなさい」「……ありがとうございます」俺はペコッと頭を下げた。「解散するにしても、ファンの皆さんが納得する形にしなければいけないのよ。ファンのおかげであなたたちはご飯を食べてこられたのだから。感謝を忘れてはいけないの」大澤社長の言葉が身にしみていた。彼女の言う通りだ。ファンがいたからこそ俺たちは成長しこうして食べていくことができた。音楽を聞いてくれている人たちに元気を届けたいと思いながら過ごしていたけれど、逆に俺たちが勇気や希望をもらえたりしてありがたい存在だった。そのファンたちを怒らせてしまう結果になるかもしれない。それでも俺は自分の人生を愛する人と過ごしていきたいと考えた。俺達COLORは、変わる時なのかもしれない……。

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